複数人で遂行される、価値ある問題解決・課題解決のことを「プロジェクト」と呼びます。ここでは、広く「プロジェクト」というものを俯瞰してみたいと思います。

どんなプロジェクトにも、目的があってプロセスがある

どんなプロジェクトであっても、プロジェクトの目的と、それを遂行するためのプロセスがあります。これは「決まったプロセスがある」と言うことではありません。世の中の誰もやったことがない偉大なプロジェクト―人類初の月面着陸を達成したアポロ計画や、日本の奇蹟と呼ばれた高度経済成長―では、プロセスを練ってやってみる、やってみた結果や感触をうけて、プロセスを練り直す。次に何をするか、決める。時に予測もしていなかったトラブルに巻き込まれ、そして幸運に救われる。振り返ってみれば、それはプロセスです。

これらプロセスは、誰かが「次はこんな風にやってみよう」と言い、そうして実行されたひとつひとつの仕事の積み重ねです。

プロセスは、マインド・技術・リソースにサポートされる

プロジェクトをプロジェクトとしてやっていくためには必ず、プロセスがあります。ではプロセスを通じて、プロジェクトを成功に導くには?それには、プロセスを実際に遂行するための「心技体」すなわち:「マインド」「技術」「リソース」が必要です。

プロセス

自身の必要とするものを見極めよう

世の中には多くのビジネス書籍があります。それはこのプロジェクトの「目的」「範囲(スコープ)」が違うこと、そして、その書籍の「心・技・体・プロセス」のどこに注目しているのか、そのフォーカス/濃淡が、異なるためです。

Excelの解説書のように「技」に特化したものもあります。自己啓発書のように「心」に特化したものもあります。「ウェブショップのつくりかた」のように「プロセスと技」に特化したものもあります。

世の中のビジネス書籍のほとんどは、要するに:

  • 新しいプロセスを提示していか
  • ある技術について教えてくれるのか
  • マインドやリソースについて教えてくれるのか
  • または、上記の組み合わせ

のどれかなのです。

自分に足りないものは、具体的なスキルなのか?それともプロセス(手順)なのか?こういった事を明らかにし、上記のように整理・位置づけすることで、必要な情報をどう取得し、どう技術を磨いていくべきか、明確にできます。

以下、プロセスと技術について、本書の全体の構成を、それぞれ見ていきます。