問題の言語化

アウトプット・イメージを描く

問題定義をうまく行う為には、理想と現実を明確にした後に、\textbf{「アウトプットイメージ」を描く}事が、非常に重要になります。アウトプットイメージとは、ゴールや、終着点、結果に対する概要の予測です。講座を作るのであれば、どんな感じで講座が進み、受講者はどうなるのか。テキストを書くのであれば、どういう事が盛り込まれたテキストになるのか。お店にクレームをつけるのであれば、どういう合意を終着点にするのか。スキルアップするなら、会社や組織の中で、どのように自分はそのスキルを生かしているのか。このアウトプットイメージがあるか無いかで、今後のプロセスの進め方ややる気が大きく変わります。

そのようにアウトプットイメージを明確にしたら、問題をもう一度定義しなおしましょう。今から取り組む問題を、できるだけ明瞭に記述する。
・目的:「それを何のために解くのか(Whyツリー)」
・立場:「それは、誰の問題なのか」
・時間:「どのくらいの期間で、問題を解きたいか」
・本質:「問題の本質は何か?(Whatツリー)」
・問い:「そもそも、何故それが問題だと思ったのか?」

こういった「質問」が問題を上手く定義するのに役立ちます。このようにして問題を掘り下げてみると、もっと大切な問題、もっと根本的な問題が見えてくる事があります。すなわち、目の前の「問題」だと思っていたものが、実はもっと根深い問題のひとつの「症状」にすぎなかったということが理解できたりします。指標としては、問題が100も1000も出てくる場合は、それは問題ではなく、症状で、その裏にはより根本的な問題が存在している場合がほとんどです。

例えば、いつも遅刻してしまう、上手く他人とコミュニケーションができない、議論で妙で的外れな自己主張してしまう、仕事が期限内に終わらずよく他人に迷惑をかけてしまう、大抵のメールに反応をしない…といった、5つの「問題」は、たった一つの根本原因『他人のことをどうでも良いと思っている』という所から来るのかもしれません。
そうだとすれば、ウルサイ目覚まし時計を購入するとか、話し方教室に行くとか、そういった対策はそもそも的外れであることになります。

コラム―傘の発明

太古、冷たい雨は問題だった。祈っても雨がやまない事に気づいた原始人達は、雨宿りという解決策を思いついた。問題は解決した。木陰や、ガケの下で雨宿りをすれば、冷たい雨に打たれなくてすむのだ。

降りしきる雨の中、新しい問題が見出された。急に雨が降ってくると、木陰やガケの下で待機せねばならず、家族のもとへ帰ることができない! 原始人達は考えた。閃いた。木の板や、石版のようなものを使えば、雨に濡れずに移動できるのではないか。

木の板、石版は確かに雨を防いだが、まだ問題があった。重い木の板や、石版を頭の上に掲げながら移動すると、両手が塞がってしまい、モノを持って移動ができない。昔の人は考えた。何か持ちやすくなるようなモノを作ればいいのではないか?傘の原型のできあがりである。

時は過ぎ、現代。新しすぎる傘を開発した会社があった。
これまでの傘の弱点であった「風に弱い」という問題点を克服した、
空気力学的な傘である。
新しい問題は、デザインだろうか、収納だろうか。

問題を解決したと思えば、新しい問題が生じる可能性がある。前の問題よりも、新しい問題の方が、少しは幸せだと、「解決」した甲斐がある。はじめから完璧な理想が得られる事は無いが、だからといって、諦めてはいけない。

 

人間へのフォーカスによる問題発見

[1, 1, 1]
世の中には、様々な問題発見手法があります。最近注目されているのが、
IDEOのHuman Centered Design[1, 1]や、くらたまなぶの創刊男の仕事術[1]など、ヒトにフォーカスした問題発見(解決)手法です。これらは、ヒトにフォーカスをあて、ヒトをよく視ること。ヒトからよく聴くこと。そうして、ヒトを深く理解することをその根本に置いています。

ヒアリング
そんな、ヒトを理解する一助となるのが、ヒアリングです。

IDEOでは、ヒアリングのTipsとして、以下のような3つを挙げています。
・Open-Ended Question:Yes/Noで答えられない質問をする
・Five whys’ / 何故?と掘り下げて聞く
・Show me, Draw it / みせて貰う、やって見せてもらう、書いて貰う

また、くらたまなぶはマーケティング=ひとの気持ちを知ること。市場調査と違い、気持ちなので数字ではなく言葉で表す、として:
・ヒアリングは、好きな人(身近に居る人)から始め、次に嫌いな人に聴き、知らない人に聴く。
・人の嫌な気持ちをきく。うんざり、不満。~したくない、飲みたくない、買いたくない。「~~無い。」を集める
・次に、「~したい。」を集める
という事を提唱しています。問題が何か分からない時、ヒト、というものにフォーカスしてみると、上手くいくことが多いでしょう。

問題発見 まとめ

$問題 = 理想 – 現実$
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理想:目的/立場/時間を考えよう。
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現実:観察/整理/解釈をしてみよう。
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問題定義:アウトプットイメージを持つ。
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教訓:
完璧に正しい問題定義が得られる事はない。
だけど、それを探すことを、やめてはいけない。[1]
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もしも、どうしていいか分らなくなったら唱えてみよう「何を考えるべきか、まず考えよう」と。

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