0.0.1. ピラミッド構造で考える しかし、多くの場合は\textbf{必ずしも、トップメッセージは明確ではなく、むしろ書きながら考える}はずです。すなわち、ボトムアップでピラミッドを構成する時の方が多い。

この時は、どのように考えていけば良いのでしょうか。段階を追って、解説します。

\paragraph{事実を集め、集めた情報から仮説を導く}
ピラミッドを精緻に構成したとき、その最下層は「事実」となります。その事実に対し「so what?」だから何なの?を問う事で、仮説ができます。
そして、その仮説を「検証」することで、仮説の根拠がその事実で十分かという検証ができます。

たとえば、

  • 集合時間まで後20分
  • 現在地から電車で、集合場所の最寄駅まで20分はかかる
  • 最寄駅から集合場所までは徒歩で10分かかる
ここから「集合場所には時間通りには間に合わない」という仮説が出てきます。
この仮説を検証すると、電車以外の交通手段だと間に合う可能性があるため、根拠としては不十分です。
そこでさらに情報を収集すると、他の交通手段はお金や場所、あるいは同じく時間等の理由で却下されたとしましょう。
そこではじめて、「集合場所には時間通りには間に合わない」というメッセージは、事実によって検証された事になります。

\paragraph{メッセージを束ねてメッセージにする}
しかし、このメッセージは、本当に言いたいことでしょうか?
「集合場所には時間通りには間に合わない」に、さらにSo What(だから何なの?)は問えないでしょうか。
これにSo What?を問うと、「欠席するから議事録が欲しい」「遅刻するから先に始めていてほしい」など、本当のメッセージが出てきます。
そして、それら「欠席するから議事録が欲しい」にWhy So?(なぜ?)を問うと:
これまでの根拠であった「間に合わないから」の他に根拠となるべき他のメッセージや事実を発見する事ができ、ピラミッド構造をつくることができます。

0.0.2. ロジックツリーとピラミッド構造の違い 最後に、ロジックツリー(構造化の技術)とピラミッド構造の違いを明示しておきます。

\begin{table}[htbp]
\caption{ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い}%{}内に表題を書く
\begin{center}
\begin{tabular}{|c||c|c|}
\hline
& 構造化(ロジックツリー) & ピラミッドストラクチャー \\
\hline
\hline
目的 & 問題の把握 & 提案・意味付け \\
\hline
主な思考の流れ & トップダウンに分解 & ボトムアップに組立・構成 \\
\hline
縦の関係 & What, Why, How & 主張と根拠(Why So/So What) \\
\hline
横の関係 & MECE & 同じ種類/帰納か演繹 \\
\hline
ボックスには & 概念・要素 & メッセージ/事実/データ \\
\hline
\end{tabular}
\end{center}
\end{table}

ロジックツリーとピラミッド構造の違いは、まずは目的が違います。ロジックツリーは問題発見や課題解決など、「系統だった分解」をすることで、把握や行動を容易にするためのツールでした。対してピラミッド構造は、コミュニケーションのためのツールです。
また、ロジックツリーは、主にトップダウンで分解しますが、ピラミッド構造はボトムアップで組み立てる事が多いです。ロジックツリーの上下がWhat/Why/Howの疑問と回答の関係で、左右がMECEの関係なのに対し、ピラミッド構造の上下の関係はWhy So?(なぜそう言えるのか)という主張と根拠の関係で、左右が帰納と演繹の関係です。
使い方としても、まず問題や課題をロジックツリーによって構造的に把握し、課題を特定し、解決策を創案したのちに、それらを\textbf{どう組み立てれば伝わるのか}を考えながらピラミッド構造をつくります。

fig/lt_ps_differ.eps
Figure1. ロジックツリーとピラミッドストラクチャーの違い