プロジェクトを、問題解決を行うためには、持っておくべき心の在り方があります。どんなマインドセットで問題解決を行うかが、その成否を大きく左右します。第1章では、そんなマインドセット・取り組み方についてお話します。

「意味」あることをしよう

「はじめに」でも少し触れた内容です。プロジェクトや問題解決の目的は、意味を産み出すことです。ビジネス的に言えば顧客に対して、価値を産み出すことが目的です。

価値は自ら体感する

「価値」とはなんでしょう。お金がたくさん儲かること。スピードや効率が上がること。そんな風に「世の中で既に価値があるとされているもの」を志向することは簡単です。

けれど、求められているものが「あたらしい価値」だとするならば。それを書き表すことは、とても難しい。もしも言えることがあるとするならば、それは「価値を感じ取る、感性を磨くことが大事」だということです。

自分自身の感覚、五感を磨く。美味しいものを美味しいと感じ、嬉しいこと、楽しいことを味わい、理不尽にきちんと憤り、違和感に気づく。起こった出来事の意味を咀嚼する。いわば、感覚の分解能・精度を上げること。世の中に転がる「価値」と「価値を損ねる何か」を深く味わうこと。そこから「新しい価値の設定」ができるのだと考えています。

逆にプロジェクトは何で無いのかについても、お伝えしておきたいと想います。

「頭の良さ」を証明することには意味がない

あなたの頭の良さを証明することには、価値がありません。むしろ、コミュニケーションを阻害し、よいアウトプットを出すことを妨げます。

もっとも、プロジェクトを前に進める上で、メンバーのタイプによっては、実力を認めてもらう必要がある事もあります。その場合も、プロジェクトに対して価値を示すことが長期的な信頼の獲得に繋がります。自分の能力を示す労力を、成果に振り向けましょう。

目の前の「正しさ」にも、それほど意味はない

正しさや論理で武装することにも、それほど意味はありません。論理が正しくても、顧客やメンバーの納得を作れなくてはプロジェクトは前に進みません。論理的で完璧な、一分の隙もない計画を立案しても、実行されなくては膨大な労力をかけた価値のない資料になってしまいます。正しいことは、それほど正しくはないのです。(仕事をはじめて、しばらくしてこれに気づいた時、愕然としました。)

何より「自分が正しい」と思う心の働きは、大きな隙を作りがちです。「自分は正しい」「相手がおかしい」と思った時は、プロジェクトが頓挫する前兆とすら言えます。