0.1. 既存フレームワーク これから、既存のフレームワークの紹介をします。
既存のフレームワークとは、昔の偉い人が考えたフレームワークの事です。
例えるなら「3枚おろしのやり方」「マグロの解体法」のようなもので、それに沿うと綺麗に分類/分解できる事もありますが、反面、違った対象には使えなかったり、単なる既存フレームワーク当てはめをしても意味がなかったりと\textbf{弊害}もあります。本当にたいせつなのは、\textbf{定石ではなく状況をもとに戦略を立てる}ことです。
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そこで、フレームワークがどんなものか\textbf{概要をつかむ}。いくつかのフレームワークを知っておき、その\textbf{アナロジーで違う場面に応用}する。という2つを目標に、ここでは空雨傘、3C、4Pなど、いくつか有名どころの既存フレームワークの紹介をします(覚えなくていいです)。

0.1.1. 空→雨→傘: 簡単な状況認識と解釈およびアクションを意味するフレームワークがこの「空→雨→傘」です。空:黒い雲が増えてきた(状況認識)→雨:雨が降りそうだ(解釈)→傘:傘を持って行こう!(行動)というように、認識→解釈→行動を切り分けて考える事で、「現実を見る前に解決策に飛びつく」ことや「自分で解釈せず、言われた事をただこなす」といったことを避ける事に繋がります。他人に説明するときも、この「空→雨→傘」を意識して話すことで、分かりやすい報告や、相手にとって判断のしやすい報告ができるようになります。

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Figure1. 空・雨・傘

0.1.2. 戦略の3C: 会社の戦略を立てるとき、
Company(自社)・Competitor(競合他社)・Customer(顧客)の3つについて考えれば、抜け・漏れが少なく、幅広く全体を抑えられる、というフレームワークです。

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Figure2. 戦略の3C

特に、企業では、競合他社を気にするあまり、自社の強みを知ることがおろそかになったり、競合との差別化のみを追求するあまり、顧客の満足という事を考えるのがおろそかになったりします。
この3Cは自社と顧客、特に「顧客」について考えさせられるフレームワークです。

0.1.3. マーケティングのSTP: 市場細分化(Segmentation),対象の絞り込み(Targeting), 立ち位置の決定(Positioning)を決め、他社と差別化戦略を行うためのフレームワークです。
市場細分化とは、市場で顧客を絞り込むために、何らかの基準で顧客を区別することです。例えば年齢層やライフスタイルで区切ります。「小学生」「中学生」「高校生」「大学生」「若手社会人」「中堅」「壮年」「それ以上」など。対象の絞り込みとは、区切った顧客層の中で、どの層をメインターゲットにするか、です。例えば「小学生向けコーヒーを売る!」がそれです。
立ち位置の決定とは、その中でもどういう路線を目指すかです。小学生向けコーヒーでも「甘いのか苦いのか(砂糖の多寡)」「マイルドなのかコクがあるのか(ミルクの多寡)」「高級なのか低級なのか」など、その商品やサービスの位置づけを行います(通常は、他社がカバーしていない領域を狙います)。
0.1.4. マーケティングの4P(Marketing Mix): 製品(Product), 価格(Price), 宣伝(Promotion), 流通(Place)について考えます。
\textbf{Product}は、製品の機能や特徴、品質やデザイン、ブランド名やパッケージングについて考え、\textbf{Price}は価格や割引、支払期限や支払方法について考えます。\textbf{Promotion}は販売促進や広告などを考えます。最後に、\textbf{Place}は、流通チャネルや在庫、品揃えや販売店舗の立地について考えます。

0.1.5. 競争力のSWOT分析(Cross SWOT): 強み(Strength), 弱み(Weakness), 機会(Opportunity), 脅威(Threat)
を、SW$\times$OTの形に書き出して、機会の最大化や、脅威の打ち消しを図ります。

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Figure3. Cross SWOT分析

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$強み\times{}機会$:機会を最大化するために何ができるか?
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$強み\times{}脅威$:脅威を強みで打ち消すために何ができるか?
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$弱み\times{}機会$:弱みで機会を逃さないために何ができるか?
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$弱み\times{}脅威$:最悪の事態を回避するために何ができるか?
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のようになります。
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これは、会社に限らず、個人の資質レベルでも、
自分の強みを活かし、弱みによる致命傷を避ける事を考える時に利用できます。

0.1.6. 事業分析のポートフォリオ:

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Figure4. BCG Portfolio

0.1.7. アンゾフの事業成長マトリクス:
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Figure5. アンゾフの事業成長マトリクス