相手を知るには、相手の表面に現れ出たコミュニケーションのタイプと、持っている資質、そして、その人生の背景に迫ることが重要です。
相手のコミュニケーションのタイプを知ろう:DiSC理論 [23][24][27]
つい、私たちは、このような視線で他者を見がちです。
すなわち、自分と似ているか、似ていないか。そして、好きか嫌いか。
ですが、例え嫌いな相手であっても、似ていない相手であっても、好き嫌いを超えて敬意を持って接し、お互いのニーズを満たすような関係は作れるはずです。まずは、好き嫌いや、自分と似ている似ていないといった世界観から離れる事が重要です。
では、どのような世界観で、うまくコミュニケーションがとれるのでしょうか。それには、行動心理学者のウィリアム・M・マーストン博士が提唱し、ジョン・G・ガイヤー博士が自己分析ツールとして応用した、「DiSC理論」というのが有用です。
DiSCでは、感情開放度の高低(人にフォーカスか仕事にフォーカスか)と、思考開放度の高低(協調的か独自的か)、という2軸で人々を捉えます。
「人を、そんなに簡単にカテゴライズできない」という意見は最もです。ですが、知っておくと「相手の立場に立った」コミュニケーションがしやすくなる。より相手のスタイルに合わせたコミュニケーションが取りやすくなる、というのは一つの事実です。
決して「あいつはコントローラーだからダメだ」とか、「あいつはアナライザーだからウザい」とか、そういうラベリングの道具ではありません。相手なりのコミュニケーションスタイルを理解し、それが自分と似ていないからといって拒絶するのではなく、相手のスタイルを尊重したやり取りを行うのが主眼です。以下、各タイプについて、簡単に説明します。
コントローラー
マンガで言うと、ジャイアン・ベジータ・夜神月などがこのタイプです。
決断力が高く、ペースが速い。自分の事をコントロールしようとする奴は全員敵。反対を押し切ってでも成果を上げようとするタイプです。
プロモーター
マンガで言うと、ゴクウ・ルフィ・第二キラ(ミサ)などがこのタイプです。
楽しい事が好きでエネルギッシュ。飽きっぽくてお調子者。変化や混乱に強く、成果を上げるために周囲を巻き込んでいくタイプです。
サポーター
マンガで言うと、ドラえもん・クリリン・チョッパーなどがこのタイプです。
人を援助する事が好きで、決断には時間が掛かる。慎重派で対立を避け、任務遂行のために、他人と協力することに重点を置くのがこのタイプです。
アナライザー
マンガで言うと、エル・出来杉くん・ピッコロさん・ニコロビンなどがこのタイプです。
失敗や間違いを嫌い、自分の事はあまり話さない。孤立してもあまり苦にならない。客観的・論理的な話し方を好み、現状を維持しながら仕事の質の向上を図るタイプです。
資質 [16]
また、相手が持っている資質や強みは何でしょうか。
相手が好きで、ついやってしまうこと。習慣化された行動は何でしょうか。
人生の背景を洞察し、聴く
コミュニケーションのタイプや、資質や、その他、考え方の癖やスタイルから、持っている信念から、人に「彼はこういうヤツだ」とレッテルを貼るのではなく、その人生の背景に踏み込んでみましょう。「なぜ、彼は、こうなるに至ったのか」その人生の背景を知れば、自分と「合わない」タイプのコミュニケーションスタイルにも、自ずとそれでも、伝えようという気持ちが芽生えてきます。
だから、あなたがどうして、そうなのかを、人に興味を持って聴いてください。自分のものさしで判断せず、相手の話を促しながら、理解しながら、徹底的に聴いてみましょう。私にも、実際やってみて、驚くべき発見がありました。一見「ふつう」だと思っていた人の中に、あんなにも深い何かがあったなんて。