そんなチームであるためには、意見を正当性や声の大きさで押し切るのではなく、全員の納得をつくる事がとても大事です。
あなたにもきっと覚えがあるでしょう。議論のさなか、独裁者みたいな優秀なコントローラー君が場を支配して、みんなが表面上納得して、ある話題に決着をつけた後、しばらく話していると前の話題に戻り、「そもそも…」と言い出す、なんて話。
これは、説得/論破があったようで、納得していないので後から後から「そもそも」と立ち戻ってしまうのです。心から納得を作って、ひとつづつ着実に潰せば、実はその方が議論は効率よく進みます。
だから、全員の納得を得るその為には、全員が
- 自分の意見をしっかりと言う
- 人の意見を聴き、理解する
- 意見を整理・構造化する
3つの事ができなくてはなりません。
自分の意見をしっかりと言う
言う、というマインド
会議では、発言しなければ価値はゼロです。積極性100で、自分が感じたこと、考えた事を発言しましょう(特に思考解放度の低い、アナライザー・サポーターのひとたち)。
もちろん何でも言えば良い、というわけではありません。言いたい事を、わかりやすく、伝える必要があります。この手法(ピラミッド原則)については4.2 提案の技術「ピラミッド原則」に譲ります。
わからない、と言う
会議で、賢いっぽい事が議論されているのだけれど、
どういうことなのか、いったい何の話なのか、何について意見を出せばいいのか
どう進めていけばいいのか、分らない時があります。
そういう時は「今、何の話?」と「今の話はよくわからない」と言いましょう。説明を求めましょう。「説得してくれ」とお願いしましょう。
空気なんて読むな
みんなが議論を終着させようとし、うんうんと頷き、合意に至ろうとしている。けれど、あなたは違和感がある。「おかしい…」と。そういう時、必ず止めてください。水を差してください。あなただけが気づいた違和感を大切にして下さい。あなただけが勘違いしていたのだとしたら、それを正してもらってください。でないと、結論にあなたは心からコミットできないわけで、そのプロジェクトが「本番」になることは無くなってしまいます。
人の意見を聴き、理解する
聞く、訊く、聴く
特に優秀な人にありがちなのですが、仲間の意見を最初の3秒だけ聞いて分かったつもりになって、残りの時間は仲間の意見をBGMとして聞き流しながら、反論を考え、話が切れた途端、反論をはじめるなんてことをしていませんか?
こういうスタイルだと、優秀な人の意見は通りますが、その結論に全員の心からの納得が得られていないので、結局、実行段階ではいいものができません。
集中して相手の言っていることを耳で聞き、理解を深めるために口で訊き、先入観を排して心で聴く、ことを心がけましょう。
口で訊く:説明を請う
相手の意見を耳でしっかり聞いて、理解しました。あなたには違和感があります。その時、反論をいきなり述べるのではなく、あなたが違和感を覚えたところを、もっと詳しく説明してもらいましょう。もしかすると、なるほど、と思える意見が出てくるかもしれません。
心で聴く:表情を読む
理解していない表情をしていたら、納得していない表情をしていたら、仲間に話を振って、何を考えているか聞いてみましょう。
心で聴く:隠れた前提を明らかにする
ある発言を表面的に受け取るのではなく、どうしてそういった意見になるのか、その前提を考えてみましょう。自分に対して行うと、自分の隠れた前提も発見できます。
意見を整理・構造化する
構造化の技術を用いて、意見を整理・構造化します。その為に一番重要なのは、可視化するということです。
可視化しよう
口が達者で優秀な人、2人くらいが、意見をぶつけ合って空中戦になっている。周りの人は良くわからないし早く終わらないかな、と思っている。こんな状況はありませんか?
これは、意見を可視化しないから起こる事です。
ホワイトボード・黒板・ポストイットなどを用いて、意見を可視化してみましょう。
整理・構造化する
その上で意見をフレームに沿って整理し、構造化します。整理・構造化をやり始めると、そこでさらに新い考え方が見えてくるはずです。