ここまでのプロセスで、問題を発見し、問題を構造として把握し、課題を特定しました。それでは、その特定した課題をどのように解決すれば良いのでしょうか?解決のための、オプション作りそれが作戦立案です。
簡単な問題や、課題が詳細に分析され、特定されている場合は、単純に「原因の裏返し」の作戦で巧くいくこともあります。

例えば、お金が無い!問題の根本原因を労働時間の短さに求めるなら、バイトに入る時間を単純に増やせば、良さそうです。(もっとも、お金が無い!問題は、どのくらいお金が欲しいのか、という理想を設定し、それに近づくために時給アップと重ねて行うべきですが)

創案

「how」で解決案(ソリューション)の構造化

だからどうするの?という行動案を、構造化で学んだ「how?/どうやって?」と疑問を掘り下げていきながら、具体化します。
課題自体が掘り下げられていればいるほど、このHowを考えるのは易しくなります。構造化のボトムアップで見た「発想」的なものが有効な事が多いです。(この行動案はタスクリスト=詳細な一挙手一投足ではありません。それはオペレーションです。)

評価/選択

労力×効果マトリクス

ここまでで、いくつもの行動案が生まれたものと思います。
この行動案のうち、どれを実行すれば良いのでしょうか?
その判断には「労力×効果」マトリクスを使うとうまく行くことが多いです。

労力効果マトリクス
労力効果マトリクス

このマトリクスの上に、出てきたタスクを配置して、右上を実行し、左上や右下の改善を図るとうまくいきます。

ビジネスにしよう

そして、この解決案を創り、選択するとき、できればビジネスにしてください。すなわち、収益が上がるようにしてください。それは、あなたたちのやっていることが素晴らしいことならば、それが1.続く, 2.拡がる事が大切だからです。
収益が上がらないと、特に赤字だと続かないし、広げる事ができません。だから、できる限り収益を上げてください。

例えば、ノーベル平和賞に輝いた、グラミン銀行総裁 ムハマド・ユヌスの著書からもそれを窺い知れます [54]

ソーシャルビジネスについて:
ソーシャル・ビジネスとは、社会的な目的(栄養不良の子供たちへの安価高栄養価食品の提供、廃棄物のリサイクル、良質な教育の提供etc…)の最大化ゴールとする会社である。同じく社会的な目的の為に設立されるNPOやNGO、行われるチャリティとの違いは、ソーシャルビジネスがその名の通り、ビジネスであるという一点である。

ビジネスであるという事は、そこにマネジメントがあり、通常のビジネスと同じようにコストがあって利益があり、利益によってすべてのコストを回収する。すなわち、寄付や助成金などの外部財源に頼らず、自己持続型の組織の事を言う。

それでは、通常の【利益最大化】ビジネスと、ソーシャル・ビジネスは何がどう違うのか。

もちろん、これまで通りの【利益最大化】ビジネスも社会的な目的を多くの場合は達成している。会社の目的は顧客の創造であり、これまでのビジネスによって、多くの人が豊かさを手に入れてきた。

ユヌスは、その違いを以下のように説明する。

ソーシャルビジネスの2形態:
第一の形態は、投資家や株主は一切の配当を受け取らないというモデルである。ソーシャル・ビジネスによって、投資家は、投資分のお金を全て取り戻すが、それ以上の利益は得ない。利益はソーシャルビジネスを行う企業の中に貯えられ、そのサービスや商品をより安価で提供するために、あるいは、拡大し、より多くの人がそのサービスを享受できるようにする。

第二の形態は、まさに貧困者によってソーシャルビジネスが所有されているという形態である。この形態では、利益は株主・所有者である貧困層に分配され、それ自体が社会的便益を産み出す。その企業の提供するサービスは、社会的な利益の最大化を目標とすることもあれば、そうでないこともある。

解決策立案 まとめ

作戦立案
作戦立案

how?で構造化し、案をたくさん出そう
案を出したら、労力と効果を調べよう。
もっとラクには、できないだろうか?もっと効果を、上げられないだろうか?