いくら正しく考えても、いくら正しい解決策を立案できたとしても、行動しなければ、実行されなければ、全てが水の泡。意味がありません。
そこで、本セクションでは、計画・実行の技術をお伝えします。
まずは、自分一人ではなく、組織やチーム、友達と共に実行するための第一歩「計画の立て方」について考えていきましょう!
計画(オペレーション)
決定した課題解決策を遂行し、当初の問題を解決するには、理想を現実にするには、解決策の全体像が見える必要があります。
そのために何を考えるべきかを、考えるという事をしましょう。
何を考えるべきかを考える
まずは大枠で、何を考えれば課題解決策が達成できるかを考えます。
例えば、イベントを開くのであれば大枠で言うと、イベントの内容、イベントの場所、イベントの時間、集金方法、告知方法、当日オペレーションについて考えるべきです。
担当者を設定する
大枠で何を考えるべきかを考えれば、そこに責任者を設定しましょう。
期日とメルクマール(指標)を置く
責任者が、あるいはプロジェクト全体のマネジャーがより詳細なタスクへと分解し、やるべきことを順序立てて、何時までに、どんな成果を出すかを設定します。
実行
頭を使って、問題を定義し、原因への仮説を立て検証し、上手に作戦を立て、提案し仲間を巻き込んで、いざ実行のフェーズに入ると、予想を外したり、うまく行かなかったりすることが、当然あります。ここでは、その実行について考えましょう。
仕事と作業/仕事を優先する
やるべきことには仕事と作業の2種類があります [8]。
仕事=成果を出すために思考すること(アタマを使う), 作業=仕事のために準備する、思考したことを実行する(手足を使う)です。
そして、人は仕事ではなく作業することを優先しがちですが、本当に優先順位の高いのは仕事(アタマを使うこと)です。先に仕事をする、作業はその後やる、という癖をつけてください。
ワークロードの把握
仕事やタスクが、期日を守れなかったり、徹夜作業になったり、という事故のほとんどは、この「ワークロード(作業量)」が把握できていない、という事が原因です。
それでは、どのようにすれば、作業量を把握する事ができるのでしょうか?
それには、仕事の全体像を把握し、それらを細かく具体的な仕事へと落とし、一つ一つが掛かる時間が把握できる程度の塊にまで分解することです。把握できる小さな塊の集合として全体が認識できてはじめて、予測が立ちます。
これには、付録D 推定の技術で見たような推計のスキルを転用できます。
一つ一つのタスクに責任者を割り当て、締め切りと優先順位を伝えます。
チームマネジメント
実行するチームをマネジメントするにあたり、一番大切なのは、強みに集中することです。すなわち、メンバー1人1人に何ができないか、ではなく、何ができるかという強みによって貢献を促す事です。
というのは、大切なのは、誰かを幸せにする価値創造ゲームであって、限られたパイを取り合う政治ゲームではないからです。
タスクを任せるとき、目的の共有・意義の共有・締切の共有・任せ方(DiSC)のそれぞれをきちんと行うようにすると、うまくいきます。
完結:やっつけ仕事ならやるな
チームで作業や仕事をする時、必ず情報のやりとりが生じます。
その時、相手に発信する情報には「完結性」が、求められます。